BIM/CIMを基軸に道路施工現場のDX推進 ~施工検討から実施工へのシームレスなデータフローを構築~

日本道路(株)<社長 石井敏行>と清水建設(株)<社長 新村達也>は、両社で組成した共同企業体(JV)が施工を進めている「九大箱崎南地区都市計画道路築造その他工事」において、施工検討フェーズで使用した3Dデータを後工程の施工フェーズにそのまま展開する、BIM/CIMを基軸としたシームレスなデータフローを構築し、道路施工業務の高度化・効率化を図る取り組みを進めています。取り組みの一環としてこのほど、舗装切削工事のマシンコントロール(MC)施工に、BIM/CIMに紐づいた施工検討データを展開・活用し、高精度な切削機械の自動運転を実現しました。

この取り組みの核となるBIM/CIMは、工事対象の道路舗装モデル、工事エリアの埋設物モデル、路面標識モデルを同一の座標系で統合したものです。モデルデータの作成に当たっては、施工検討フェーズから施工フェーズへのシームレスなデータ連動を見据え、最終工程のMCに即したデータ形式からバックキャストして統合モデルのデータ仕様を定義しました。このデータ仕様に基づき工事エリアの点群データを取得し、設計図面から作成した構築物の3次元モデル、探査結果を反映した埋設物モデル等に点群データに基づく位置情報を付与することで、多様な用途に活用できる統合モデルを構築しました。

この統合モデルに集約された3Dデータをシームレスに展開するデータフローを構築することで、データ変換作業を要さず、VR・ARによる施工検討や施工スケジュールの4Dシミュレーションを行うことが可能となり、早期の計画変更などにも柔軟に対応できるようになります。舗装切削工事のMC施工では、統合モデルの施工検討データをMCシステムに展開し、施工指示データの作成などの準備工程を圧縮することで、大幅な省力化・省人化とともに、MCに要するコストを約25%削減することに成功しました。

日本道路と清水建設は、当現場での取り組みを他の協働案件にも展開し、道路施工のDXを促進していきます。

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