日本道路グループでは、全国の拠点で年間300件を超える社会貢献活動を行っています。
今回は、関西支店が実施している熊野古道「道普請」を紹介します!
「道普請」とは、【道路を直したり、建設したりすること】です。熊野古道のある紀伊山地は、年間を通して雨量が多く、台風被害にも見舞われる地域。参詣道は多くが山の中の自然道のため、土砂の流出を防ぐ定期的な整備が必要です。
和歌山県では、世界遺産登録5周年にあたる2009年より、企業や団体向けに、参詣道の維持、修復ボランティアプログラム『道普請ウォーク』を提供しており、当社グループは2018年からこの活動に参加しています。
2023年度の「道普請」は2023年11月29日に開催され、24名(本社5名、関西支店19名)が参加しました。
修復作業に取り掛かる前に、和歌山県世界遺産センターにて「世界遺産入門」を受講し、世界遺産の制度ができた背景や、1000年以上も人々によって脈々と守り続けられてきた熊野古道の歴史を学びました。
知識を頭に入れた後はお揃いのキャップとオレンジジャンパーを身にまとい、いざ参詣道へ。今回の整地場所は、高野山と熊野を結ぶ熊野古道・小辺路と中辺路の分岐点で、かつて三軒の茶屋があったと伝わる「三軒茶屋跡」です。
通常、道路の修復工事は、材料をダンプトラックで工場から現場へ運び入れ、機械を使って材料の敷き均し、締め固めをしますが、熊野古道の参詣道は山の中にあるため、これをすべて人力で行います。
まず、作業場所近くの林道で、土入れ班がシャベルを使って土のう袋に土を入れていきます。
作った土のうを、運搬班が施工場所まで運びます。登り坂を含む500mほどの山道を、熊野古道の澄んだ空気を吸いながらひたすら歩を進めます。
運んできた土を修復箇所に流し入れ、レーキを使って敷き均し、タンパを使って転圧します。
和歌山県や世界遺産センターの方を含め総勢30人近くで40分ほど作業を行いましたが、修復できた道はわずか4~5m。総延長350kmにおよぶ熊野古道の参詣道は、これまでどれだけ多くの人の手で守られてきたのか…。古の時代から“よみがえりの聖地・熊野”を目指して道を歩いてきた人々だけでなく、汗水流しながら道を守ってきた人々にも思いを馳せながら修復場所を後にし、熊野本宮大社までの約2kmの参詣道トレッキングを行って、2023年度の道普請は終了しました。
この世界遺産保全活動は、道路舗装会社である当社の社業である「道づくり」の原点に立ち返ることのできる貴重な体験であり、古くから厚い信仰を集めた熊野の文化を次世代へ受け継いでいく大切な取り組みです。前回、5回目の参加ということで和歌山県世界遺産協議会から感謝状をいただきましたが、10回、20回を目指して、これからも「道づくりのプロ」としてのプライドを胸に、継続して参加していきます。
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