5 回目にして初の雨天開催!世界遺産保全活動「道普請 2022」活動報告

日本道路では、世界遺産・熊野古道で和歌山県が行っている保全活動プログラムに2018年から参加しています。熊野古道は道の大部分が山の中の自然道であり、雨による土砂流出を防ぐため、定期的な道の修復(道普請)が必要とされています。5回目となる今回は、2022年11月29日~30日の2日間に実施し、本社と関西支店から19名が参加しました。

初日はまず世界遺産センター(田辺市)にて結団式を行い、曽根豊次副社長をリーダーとして士気を高めた後、世界遺産センター主催の「世界遺産入門」レクチャーを受講。世界遺産とは、将来にわたって守っていくべき人類共通の「宝物」であること、登録後も保全を怠り「普遍的価値がない」と判断されれば抹消されること、世界遺産の保全は素人だけで勝手に行うことはできず、専門家の指導のもと行わなければならないことなどを学びました。

その後、器具を持って参詣道へ移動し、土入れ、運搬、整地というのが例年の流れですが、今回は残念ながら雨…。代わりの作業として、専門家の方に指導を受けながら、道に水溜まりができないように泥や落ち葉を掻き出し勾配をつくって排水させる作業を行いました。

黙々と泥を掻き出し雨水を側溝へ誘導する作業
黙々と泥を掻き出し雨水を側溝へ誘導する作業

翌日は雨も上がり、澄んだ空気に冬の気配を感じながら、発心門王子跡~熊野本宮大社の初心者向けトレッキングコース・6.9kmを歩きました。雨の影響でぬかるんでいる道がたくさんあり、靴やズボンが泥で汚れてしまったメンバーも…。しかし、私たちが前日水路をつくり水捌けをよくした伏拝王子付近の道は全く水溜まりができておらず歩きやすく、「作業した甲斐があった!」とメンバーで盛り上がりました。

前日に雨の中排水作業を行った道
前日に雨の中排水作業を行った道
ガイド「熊野セラピスト」の解説に耳を傾けながらゆっくりトレッキング
ガイド「熊野セラピスト」の解説に耳を傾けながらゆっくりトレッキング

トレッキング終了後の解団式では、5回目という節目の回ということで、和歌山県世界遺産協議会から感謝状をいただきました。当社にとって「5回」はまだまだ通過点であり、今後も10回、20回、それ以上を目指して継続していくことを和歌山県職員の方々に約束して、日本道路の「道普請2022」は無事終了しました。

熊野古道の価値は、遥か古の時代からたくさんの人々によって修復が行われ、守られてきた歴史があってこそのものです。私たちは普段、当社の事業である「道」の建設や修復を通して、人やモノをつないでいますが、この熊野古道・道普請においては、先人から引き継いだ価値を次の世代につなぐ役割も担っています。これまで千年以上変わらずに歩かれてきた道を、千年後も同じ道・同じ風景が見られるようにするために、「道づくりのプロ」として今後も継続して取り組んでまいります。

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