世界遺産保全活動「道普請2021」を実施しました

2021年11月25日(木)~26日(金)に、世界遺産・熊野古道の保全活動「道普請(みちぶしん)」を実施しました。

「道普請」とは、【道路を直したり、建設したりすること】です。熊野古道のある紀伊山地は、年間を通して雨量が多く、台風被害にも見舞われる地域。参詣道は多くが山の中の自然道のため、土砂の流出を防ぐ定期的な整備が必要です。
和歌山県では、世界遺産登録5周年にあたる2009年より、企業や団体向けに、参詣道の維持、修復活動のボランティアプログラム『道普請ウォーク』を実施しています。日本道路は2018年からこの活動に参加しており、今回で4回目の参加となりました。

昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け規模を縮小しての実施となり、最大限の感染防止対策を行った上で15名(本社3名、関西支店12名)が参加しました。
1日目は、まず和歌山県世界遺産センターで結団式を行った後、世界遺産に関する基礎知識や、1000年以上も人々によって脈々と守り続けられてきた熊野古道の価値とその保全についてのレクチャー「世界遺産入門」を受講しました。
実際の道普請作業においては、和歌山県世界遺産センターのガイドラインに従い、ソーシャル・ディスタンスを確保し、土入れ班・運搬班・整地班に分かれ、ローテーションしながらそれぞれの作業を行いました。今回の整地箇所は、昔三軒の茶屋が営業していた「三軒茶屋跡」付近。1トンの土を土のう袋に分けて入れ、階段と緩やかな坂を上って運び、施工箇所に土を敷いて平らにし、締め固めるという作業をすべて人力で行いました。細く狭い山道での作業に苦労しましたが、通りかかったトレッキング中の方々から「きれいにしてくれてありがとう」とのお声をいただき、メンバー一同清々しい気分で作業を終えることができました。

2日目は例年どおり、発心門王子跡から熊野本宮大社までの約7kmを、「熊野古道語り部」の方にお話を伺いながら歩きました。前日に当社が道普請を行った箇所もコースの中に入っており、誇らしい気持ちで施工箇所を踏みしめつつ、改めて、修復された道の歩きやすさと道普請の重要性を実感しました。

「熊野古道の道普請」は、道路舗装会社である当社にとって「道づくりの原点」に立ち返ることのできる貴重な体験であり、世界遺産や環境の保全に寄与し、次世代へとつなげていく大切な取り組みでもあります。これからも道づくりのプロとしてのプライドを胸に、継続して参加していきます。