国内一般道初、CO2を固定化した合成炭酸カルシウム材「カルカーボ®」 を配合したアスファルト舗装施工を茨城県鹿嶋市で実施

 日本道路株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石井敏行、以下「日本道路」)と出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明、以下「出光興産」)は、出光興産の製品で、排ガス中のCO2を固定化した合成炭酸カルシウム「カルカーボ®」を配合するアスファルト舗装の実証施工を、国内の一般道路で初めて※1茨城県鹿嶋市の市道で行いました。
 「カルカーボ®」は、ボイラー排ガス中のCO2と、電柱や基礎杭等コンクリート製品製造工場で発生するコンクリートスラッジ ※2に含まれるカルシウムを合成するカーボンリサイクル技術により製造されます。舗装材にはおよそ1トンの「カルカーボ®」が使用されており、約200㎏のCO2を道路に固定化しました。

舗装施工状況
舗装施工状況
舗装施工完成状況
舗装施工完成状況

 通常、アスファルト舗装材は、アスファルト、粗骨材、細骨材及びフィラー(鉱物質微粉末)を混合して構成されます。フィラーとして使用する粉砕石灰石(天然炭酸カルシウム)の代わりに「カルカーボ®」を使用することで、道路へのCO2固定化と廃棄物の有効活用を実現します。

 今回は「カルカーボ®」の性能検証を目的に、鹿嶋市の市道0201号線(鹿嶋市長栖1879-37地先)において施工を実施しました。老朽化してひび割れや凹凸が見られる一部区間約400㎡のうち、半分を「カルカーボ®」を配合したアスファルト舗装材、残り半分を通常の舗装材で施工しました。

「カルカーボ®」製造過程
「カルカーボ®」製造過程
アスファルト舗装への合成炭カル「カルカーボ®」の使用イメージ
アスファルト舗装への合成炭カル「カルカーボ®」の使用イメージ

※1 出光興産調べ(2025年9月時点)

※2 コンクリートスラッジ:パイルなどのコンクリート製品製造最終段階で余る「残コン」とも呼ばれる残余物です。コンクリートはセメント、水、砂や礫などの骨材から作られますが、このうち骨材を除いたもの(セメントと水)がコンクリートスラッジの主成分となります。

 今後、日本道路と出光興産はカーボンニュートラル社会の実現に向け「カルカーボ®」の施工実績の拡大を図るとともに、道路維持管理の向上およびカーボンリサイクル技術の普及を目指します。



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