
環境技術の革新で、
世界を変える
- H.F.
- 2014年入社/
生産工学研究科 応用分子化学専攻
- 技術研究
- 本社技術研究所
※ 所属はインタビュー時のものです
土木や社会インフラに興味を持った
きっかけは?
実験室では味わえないダイナミックな魅力
大学院では、有害物質を吸着させるための機能性素材を研究していました。就職先として最初に考えていたのは、先輩たちの進路も参考にして、化学メーカーの研究職です。ただ、就職活動を進めるなか、自分の価値観や目標の解像度が徐々に高くなり、建設業界を目指すようになりました。「研究も面白いけど、一生、実験室で試験管を振る仕事が向いているだろうか」そんな疑問が芽生え始めた頃、ゼネコンで働く父から「建設業界も見てみたら?」とアドバイスをもらいました。実際に説明会で話を聞くと、私の中にあった業界のイメージとは全くの別物でした。現場で大きな構造物を作り上げ、それが地図に載る。作業員の方々や地域の方々と協力しながら、目に見える形でものづくりに関わることができる。知識や技術だけでなく、人の手が介在して初めて達成される…。そこには、実験室では味わえないダイナミックさがあったんです。工事職に研究職と、自身の専門性が活かせる選択肢が豊富なことも魅力に感じました。

入社の決め手と入社後のイメージは?
自分を見てくれた面接。
予想を超えたやりがい
説明会の出会いから、就職活動は建設業界に絞りました。選考に参加したのは5社くらいです。その中でも、日本道路の面接が特に印象的でした。
形式的な質問を投げかける会社が多い中、日本道路は終始雑談のような和やかな雰囲気だったんです。私の研究内容や考え方に耳を傾け、まるで将来について相談に乗ってもらっている感覚でした。あと、些細なことですが、選考時にお茶を出してくれたのは日本道路だけでした。小さな心遣いに、会社の文化が表れているように感じました。実際、今もその印象は変わっていません。
入社後は、施工管理職としてキャリアをスタート。最初の2年間を広島で過ごしました。研究室での経験とは異なるフィールドでしたが、「現場で大きなものを作る」という入社時の思いを実現できることに、大きなやりがいを感じていました。
1年目の中ごろからは、耐用年数50年を想定した特殊なコンクリート舗装工事に携わる機会に恵まれました。先輩方が、経験の浅い私の意見にも耳を傾けながら、丁寧に指導してくれました。
この現場では、大学と連携して新しい計測機器を用いた評価も必要で、技術研究所から所長も駆けつけてくれました。日本道路の最先端技術を目の当たりにし、研究への興味が大きくなった出来事です。所長は、私の化学系のバックグラウンドと研究への関心を知り「技術研究所で働いてみないか」という選択を提案してくれました。現場の仕事にやりがいを感じていたので、最初は悩みました。しかし、現場で培った経験を活かしながら、より専門的な研究開発にチャレンジできることに魅力を感じ、技術研究所への異動を決意しました。社員の可能性を広げてくれる企業風土も、日本道路の大きな特徴だと感じています。

仕事で大変だったことは?
環境技術で世界に挑む。植物由来の新しい道路舗装材料の開発
現在、技術研究所で最もチャレンジングなプロジェクトのひとつに、ドイツのベンチャー企業との植物性バインダー開発があります。カシューナッツの殻など植物由来の材料を使って、従来の石油由来のアスファルトに代わる環境に配慮した舗装材料の開発を進めています。
私はそのプロジェクトで、これまでの経験を活かしてプロジェクトリーダーを務めています。英語でのコミュニケーション、技術の現場実証、商流の構築など、さまざまな課題に直面する毎日です。特に苦労したのが、ドイツでの現地ミーティング。言葉の壁に苦労しながらも、時には図や表を使いながら粘り強く議論を重ねました。「日本の道路事情に合わせた製品開発」という課題に、国を越えて技術者が知恵を出し合い、一つずつ解決していく過程は、苦労も多かった分、大きな学びとやりがいを得ています。

日本道路で働くやりがいや魅力は?
100年の技術を未来へつなぐ。
未来をつくる
技術研究所の書庫には、100年近い歴史の中で蓄積された貴重な研究資料が保管されています。ある日、古い手書きの論文を読んでいた時のことです。今ではあまり見ない技術が、現代の技術と組み合わせることで、新しい可能性につながると感じました。それが「ハイブリッドグース」という製品開発のきっかけでした。先人たちの知見と現代の技術を融合させる。そんな醍醐味も、当社ならではの魅力です。
また、技術研究所での仕事は決して机上だけでは完結しません。例えば、私たちが開発した橋梁用の新素材は、実際の現場で使用され、雨水の浸透を防ぎ、構造物の寿命を延ばすことで、地域の方々や管理者が抱えてきた課題の解決につながっています。商品化を果たしたあとも、改良に向けてデータを蓄積し分析を行います。研究成果が目に見える形で社会に貢献できること、技術を追求できることが大きなやりがいとなっています。

未来につないでいくための目標を
教えてください
技術の力で、子どもたちの未来をつくる

最近、5歳と2歳の娘たちと公園で遊んでいる時、ふと考えることがあります。「私たちが作る道路やインフラは、子どもたちの未来にどんな影響を与えられるだろう」こうした思いが、途上国のインフラ整備支援への関心につながっています。
現在、私たちが開発している植物性バインダーやCO₂を吸収するコンクリートは環境に優しく、かつ長寿命な舗装になる可能性を秘めています。このような環境技術やライフサイクルコストの低い技術を、インフラ整備が遅れている国々に展開できないか。経済発展や子どもたちへの教育機会の創出を支援できないか。技術開発を通じて、世界規模の社会課題解決に貢献したいと考えています。日本道路の研究開発の特徴は、基礎研究から実装まで、幅広いフィールドで活躍できること。
そして、自分たちの技術が目に見える形で人々の暮らしを支えられることです。この恵まれた環境の中で、よりグローバルな視点での技術開発に挑戦していきたいと思います。

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8:30 出社・朝礼朝礼に参加した後、メール確認など準備を整える
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9:00-10:30 外部関係者との打ち合わせ大学や共同研究先企業とのWeb会議、現場からの技術相談などの対応
※週に数回は現場への技術サポートや、学会発表・大学との共同研究など、研究所外での活動も。 -
10:30-12:00 データ整理・実験準備実験データの整理や実験の準備を行う
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12:00-13:00 昼休憩
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13:00-15:00 実験・打ち合わせ実験の進捗確認と関係者との打ち合わせ
新技術の開発の場合は、条件調整に重点を置いて行う -
15:00-17:30 論文執筆・資料作成研究成果を論文にまとめたり、プレゼンテーション資料を作成する
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17:30 業務終了

