社会課題に貢献する技術
社会の期待に応える
“技術の日本道路”

私たち日本道路は1929年の創業以来、高速道路や国道をはじめとする数多くの国家プロジェクトに参画してきました。日本の発展を支えてきた確かな施工技術と開発力は、社会の変化とともに進化を続けています。
近年は、環境配慮や人々のライフスタイルの変化によって、道路工事にはこれまで以上に多様な技術が求められるようになってきました。こうした期待に応えるため、業界の枠を超えて新たな道路素材の開発に取り組んでいます。環境技術分野では、花王株式会社様との共同研究により、廃ペットボトルをアスファルト混合物の改質材として活用する画期的な技術を開発しました。2024年8月には、木質バイオマスが吸収したCO₂を固定化するバイオ炭舗装技術をリリースし、カーボンニュートラルの実現に向けて歩みを重ねています。
次の時代にふさわしい新しい価値の創造を目指して、未知に挑み、新たな道を切り拓いていきます。
CHAPTER 01
斜面舗装
最大45度の傾斜も、
ミリ単位の精度で
斜面舗装とは
最大傾斜45度にも及ぶ急勾配を、ミリ単位の精度で仕上げる高度な舗装技術です。日本道路では、絶対的な安全性と精度が求められる特殊な舗装工事において重要な技術として確立しています。

どんな技術?
30年以上かけて確立した独自工法と、施工現場に合わせて自社開発する専用機械を用いて行います。3Dレーザースキャナーやドローンを駆使した最新の出来形管理により、さまざまな状態でも高精度な性能を発揮できる施工を実現しています。

なぜ必要?
自動運転開発や次世代モビリティの安全性テストコース、競輪場などの施工においては、ミリ単位のズレも許されない高い安全性が求められます。そのため、極限状態でも確かな性能を保証する技術が必要不可欠です。

POINT ここがスゴイ!
国内でこの技術を持つのは2社のみ。長年培った技術力と現場で蓄積された知見、そして「必ず最高のものを作ろう」という社員一人ひとりの熱意が、他社には真似できない強みとなっています。
CHAPTER 02
快適歩走
人の足に寄り添う、
次世代の歩行空間
快適歩走とは
陸上競技場や公園、病院など、歩きやすさや走りやすさが求められる場所に最適な舗装です。クッション性、反発性、安定性を兼ね備え、利用者の足腰への負担を軽減します。

どんな技術?
表面にウレタン樹脂を使用し、弾性と衝撃吸収性を確保。着地時の衝撃を吸収し、蹴り出し時の力を効率的に伝達する技術を採用。透水性舗装との組み合わせで、走行時の安定性も向上させています。

なぜ必要?
ウォーキングは、病院でリハビリとして積極的に導入されています。さらに健康志向の高まりにより、ウォーキングやジョギング、マラソンを楽しむ人が増加しています。一方で、従来の硬い舗装による疲労や関節への負担が課題で、より多くの人々が安全に運動を楽しめる環境が求められています。

POINT ここがスゴイ!
東京都市大学との共同研究により、製品性能の科学的な検証を推進。同大学の実証フィールドで、歩きやすさと疲れにくさを追求。陸上競技の強豪、青山学院大学や順天堂大学のクロスカントリーコースでも採用されています。
CHAPTER 03
スーパーPETアスコン
ペットボトルが道路に、
技術が未来に
スーパーPETアスコンとは
廃ペットボトルをリサイクルして作られた特殊な材料を含む舗装材です。従来のアスファルトよりも耐久性や耐水性に優れ、循環経済の実現を目指す新しい舗装技術です。

どんな技術?
廃ペットボトルに特殊な脂肪酸やアルコール、添加剤を加えて化学反応を起こし、アスファルト改質材を開発。この改質材をアスファルトに添加することで、100㎡の舗装ごとに廃ペットボトル1,200本を再利用。従来にない環境配慮型の舗装を実現しています。

なぜ必要?
廃ペットボトルは現在、30%しかペットボトルとして再利用できず、残りは焼却や埋立処分されています。スーパーPETアスコンは、この再利用できない廃ペットボトルを舗装材として活用することで、環境負荷を低減する新しい可能性を開きました。
POINT ここがスゴイ!
新技術を求めて、異業種の花王株式会社様と共同研究して開発しました。互いの強みを活かし、廃ペットボトルの画期的な活用方法を確立。環境負荷の低減と高品質な舗装の両立を可能にしました。
CHAPTER 04
木煉
森の恵みで、
都市に優しさを
木煉とは
間伐材を有効活用した木質舗装ブロックです。木材100%で製造され、優れた断熱性と照り返しを抑制する効果があります。

どんな技術?
間伐材等の廃材をチップ化して原料とし、セメントの代わりにウレタン系樹脂を使用。樹木が成長過程で吸収したCO₂をそのまま舗装ブロックに固定化します。さらに、木材ならではの弾力性で歩行時の負担を軽減し、ブロック間の目地をなくすことで雑草の生育も抑制。維持管理の手間も大きく削減できます。

なぜ必要?
私たちを取り巻く社会では、CO₂排出量の削減が求められています。そのためには、CO₂を吸収し固定化した樹木を適切な時期に伐採・有効活用し、跡地に若木を植樹してCO₂吸収量を上げる取り組みが欠かせません。また、都市部で問題となっているヒートアイランド現象の抑制にもつながります。

POINT ここがスゴイ!

環境大臣認定
エコ・ファースト企業
環境省に「先進的で独自性のある取り組み」として評価され、「エコ・ファースト企業」の認定を受けています。カーボンニュートラルの実現に向けて、高知県梼原町での豊かな森づくりのための植樹活動「日本道路の森」や木煉製造会社の子会社化など、持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けています。